中川大介さん『水辺の小さな自然再生 人と自然の環(わ)を取り戻す』発行記念トーク会

小さな自然再生がひらく未来

会期 2024年01月21日(日)
時間 11時~12時
場所 一階DEN(暖炉スペース)
参加費 無料
申し込み方法 申し込み不要、直接会場においでください。
定員 20名(先着順) 
講師/先生 中川大介さん
主催 函館蔦屋書店 書籍
共催・協力 編集工房かぜまち舎
問い合わせ先 0138-47-3771(函館 蔦屋書店書籍  担当:福島)
HPリンク先 -

※上記の会場は、イベント実施中は貸切となりますのでご了承ください。

中川大介さん『水辺の小さな自然再生 人と自然の環(わ)を取り戻す』発行記念トーク会

小さな自然再生がひらく未来

 

函館在住のライター・編集者の中川大介さんは、このたび農山漁村文化協会から『水辺の小さな自然再生 人と自然の環(わ)を取り戻す』を発刊されました。

これを記念して、函館蔦屋書店ではトーク会を行います。以下、著者からのメッセージです。

 


地域住民が発案・協働し、手づくりの技で、身近な生物の生息環境を回復する「水辺の小さな自然再生」が全国に広がっています。
たとえば、川の上流にある産卵域へ上ろうとする魚たちをはばむ堰(せき)や堤に、現場にある木や石を使って簡易な魚道を手づくりする。曲がりくねっていたのをまっすぐにされて、コンクリートブロックで川底や両岸を固められ、生き物が姿を消してしまった川に、石を斜めに並べて流れ下る土砂を貯め、魚や虫などの生き物がすめる空間を取り戻す―。
住民や事業所、行政機関の職員など、その地に住むさまざまな人たちが「自分たちの空間を豊かにしたい」と、費用や労力を提供しあい、「川づくり」の技術者の知恵を借りながら進める動きです。「川づくり」の在り方を大きく変える可能性をもち、また気候変動のなかで多発する洪水など災害にそなえるうえでも役立つであろうと考えられている試みです。
本書『水辺の小さな自然再生 人と自然の環(わ)をつなぐ』は、北海道釧路地方にある酪農の町・浜中町を流れる三郎川をはじめ、道内各地の川ですすむ「水辺の小さな自然再生=手づくり魚道」を取り上げながら、地域で暮らす人びとにとって身近な自然や風景はどんな存在なのか、それを自分たちの力で取り戻すことの意味は何なのか、と問いかけます。
筆者は、新聞記者のかたわら三郎川の「手づくり魚道」の設置や維持管理に約15年かかわり、「人が自然とかかわること」の意味を考え続けてきました。
講演では、酪農家を中心とする住民が主軸を担った魚道づくりのプロセスを写真をまじえて紹介し、こうした「水辺の小さな自然再生」を技術面で支える河川コンサルタントや大学教員の話をもとに、「自然とかかわる技術はいかにあるべきか」について筆者の考えをお話します。
また、筆者の生まれ故郷である東北沿岸の東日本大震災被災地の風景の変化にも触れながら、桜の植樹を通して「風景の再生」を試みる人たちの動きも紹介します。
自然環境や「住民協働」、そして「風景」に関心のある皆さんの来場をお待ちしております。


講演者:中川大介さん

函館在住のライター・編集者。

1963年岩手県釜石市生まれ、1986年北海道大学卒業、出版社を経て1992年から2022年まで北海道新聞記者として札幌、千歳、函館、仙台などで勤務する。
渓流釣りやカヌーを通じて河川環境の現状に危機感を抱き、「人と水のかかわり」に関心をもって研究者や技術者、ジャーナリストらと「北海道淡水魚保護ネットワーク」「人と水研究会」といったグループで活動。共著者にサケ学大全(北海道大学出版会)がある。
現在はライター・編集者として「かぜまち舎」を主宰。2023年10月には「環の中に生きる」を自費出版。

追記:この書籍は、函館蔦屋書店1階カウンター向いの「函館本コーナー」で販売中です。